ワイヤーは生きてる

私にとってクレーンの動作って言いますのは2種類あるんです。

1.油圧シリンダーによる動作
ブームの起伏やら伸縮です

2.ワイヤーの巻き伸ばし
対象物に掛かったフックの上下運動です

油圧の身近なものって言うと私が先日やった車のブレーキです。それからユンボの腕の下のシリンダーが伸びたり縮んだりと。これは面白くはあるんだが、だけど実際に流体があっちの部屋に押しやられる様子が見える訳ではない、う〜〜ん面白くないぞ・・・となる。
それに対してワイヤーが軸に巻いてあってその軸を廻すとワイヤーが出たり入ったり。正しく言えば強行に引っ張るか?緩めるか?たったそれだけしか出来ないのでね、決して押せない、あくまで緩めるだけ、それはそれは単純です。

前にフライスの為に50mほど電源線を引っ張りました時に、床に巻取りを転がして線を引き出した。そうすっとどうなるか?と言いますと、どんどん線は捩れて収拾がつかなくなってしまう。ですからプロは床に置いたりしない、ドーナツを立てて真ん中に軸を水平に入れて廻しながら引っ張り出す訳です。

今回、ウインチに巻いてあるワイヤー(8mm径で150m位ありそう・・・)を巻き直してやろう!!と。逆転して引き出す、正転して巻き込む、それだけですので引き出したのを足元にどんどん置いとくだけで良いはず・・・だったんだが実際には違った、電線よりもさらにもひとつからくりが!それはワイヤーにはわざわざ撚りが掛けてある訳ですわ。

この”内部捩れエネルギー”がワイヤーの生命力だとすると、多少とは言え捩れが戻ったワイヤーってのはね、う〜〜んテンションを掛けないで出し入れしてしまった私がアホだ!ワイヤーの内部エネルギーを逃がらかしてしまったやんけぇ・・・となるんですわね。


先日購入したワイヤーにも書いてある、1本吊りはダメだよと。宙に浮いた途端、その荷物はくるくるくるくると廻ってしまうやんけぇ〜ですわ。車で車を引っ張るのは1本でも構いません。後ろの引っ張られる車がワイヤーに吊られてぐるぐる廻る(前から見て、です)訳ではありませんので。


車なんかを引っ張る5mとかのワイヤー、そんなもんはどうでもいいですわ。でももっと長いワイヤー、これは完全にテンションを抜いちゃったらダメですよ!と言うことですな・・・